第1章 百々目鬼チョロ松と夢主の話
「俺もう帰るからなー」
「うん、手伝ってくれてありがと」
おそ松を見送ったあと、私は祠をじっと見つめた。
サイズは人間一人が入るくらい。
強度は……それ自体が古いからあんまり。
中を覗き込んだが……
「何も、ない、と……」
一体、これはなんなんだろうか……?
なにかを祀っているようには見えない。
しばらく考え込んでいるといつのまにか日が沈んで夜になっていた。
月が登ってくる。
十五夜とかではないから白っぽくて小さいけど、
でも十分に明るい。
月の出から数時間ほど経ってから私は祠の前に立った。そして…
コンコンコン
3回ノックした。