第16章 嘘、ほんと
そうだよね、と笑った彼が
「あ、今度彼氏紹介してね」
と驚きの発言。「えっ」と気まずい反応をするとすかさず突っ込まれた。
「なんでよ、
俺おじさんに頼まれたんだから。
お前が主人公名前の旦那になるやつを
見極めろって」
「やだ!あの人
翔君にそんなこと頼んだの?」
「そうだよ、大学時代なんて
近寄る悪い虫を退治したのは
この僕です」
「な、なにそれ!そんな話、
聞いたことないよ」
「言ってないもん」
「…お嫁に行けなかったら翔君のせいだ」
わざといじけるような表情を見せると、2人が声を出して笑った。
これでいいんだ。
これで、やっと前に進めるんだよね、二宮さん。
思い出したのは「任せて 」そう言って笑った
私の" 彼 "になった人。