第14章 変化した環境
彼が案内してくれた場所へ進むと、そこは全て個室だった。
後ろから「やっぱり芸能人は違うね」と言う佳奈。
そうだ、忘れていた。今や国民的アイドルの嵐、私たちなんか連れてきていいのだろうか。
「着いた」と振り返り、彼が先に部屋に入っていく。
「ごめん、遅くなった!」
部屋の奥から、彼の声に反応する数人の声が聞こえた。
「あ、しょ~ちゃん! お疲れー!
今日何?ロンドンの番組?」
「うん、打ち合わせ」
「翔さん、忙しいですなあ」
「ニノこそドラマ大変じゃん」
「あ、翔君明日俺とロケだって
さっき連絡入った」
「え、オイラ最近ロケないけど、
テレビ映ってる?」
「あなたは映ってても映ってなくても
特に変わりないんで大丈夫です」
「あひゃひゃ、そんなことないじゃんね~?
リーダーだって頑張ってるよ~!」
「んふ」
「なに、その笑い、
相葉さんかばってくれてんだろ」
少なくても、3、4人男性の声が聞こえる。
その盛り上がる部屋に、なかなか入るタイミングが掴めない。
後ろにいる佳奈が急に「あっ」と言った。
「どうしたの、佳奈」
「いや、もしかしてお友達って」
佳奈が言いかけた時、彼が部屋から顔を出して「ごめんごめん、置いてきぼりにした」と笑う。
私たちをエスコートするように
「さあ、入って。紹介する」
と扉を開けて。