第13章 8年経って
大学を卒業して8年、私は28歳になった。
私は無事、第一希望の広告代理店に入社。そろそろ周りは第二次結婚ブームだっていうのに、寿退職なんて浮いた話があるなずもなく。まだ仕事一筋で頑張っている。
華の金曜日。今日は久しぶりに佳奈と会う約束をした。
なんと、あの佳奈と三井君の結婚が決まり、来月に入籍予定。
そんな今日、独身最後のバカ騒ぎがしたいそうだ。
この歳になってバカ騒ぎって体力もつかな、といささかの不安を覚えて当の本人を待っていると
「主人公名前~!」
「う、わ!」
大学時代と変わらず、後ろから急に飛びつくその人。
「えへへへへ、待った?」
軽くウェーブのかかった長い髪、大学のころとはまた違って大人の女性らしさがある。
「もう待ちくたびれたよ」と不満を漏らす私に
「今日は寝かせないからね」
そう言って私の手を引っ張り、彼女が自ら予約したお店へ向かった。