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君の声で
第10章 遠い人
翔くん…、
気付かなかったのか、な。
少し上げた腕を下に降ろすと、目の前には
「見た!?今翔くんと目、合った!」
「私を見てくれた~!」
と喜ぶ女の子達の姿。
「主人公名前?どした?」
「うんん、何でもない、行こっか」
本当は少しだけ、" 幼馴染み "が特別な立場だって、心のどこかで思ってたのかもしれない。
でも、同じ" 櫻井翔 "を好きになった私とあの子達の気持ちに違いなんてない。
あんなに近くで笑っていたはずの彼が、少しだけ遠くに感じた日。
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