第2章 幼馴染
「…ん、」
目が覚めると、いや正確に言うとまだ覚めてはいないけれど、耳元にある携帯がものすごい音量で鳴っているのに気付いた。
「…ま、まだ寝かせて…」
と着信の鳴り続ける携帯に話しかけ、その忌々しい着信音が聞こえないように枕で耳を覆う。
寝不足の私に、この音量はキツすぎる。
昨日の夜。講義で必要な論文をまとめ始め、夢中になりすぎて気づけば朝の5時。
だからこんな早朝に起こされても…
ん?早朝…?
頭に覆いかぶさっていた枕を跳ね除け、まだ鳴り続けている携帯を手に取った。
ディスプレイの時計は12:01
「……、じゅ、12時!?」
さっきからなり続けている着信の相手に助けを求めるように、慌てて通話ボタンを押す。
「…翔くん!どうしよう!」