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君の声で
第8章 同じ気持ち
「また明日ね」と言って佳奈たちと別れたのは深夜1時過ぎ。終電があるはずもなく、私は1人歩いて帰る。
と言ってもその場所から私の家までは、ゆっくり歩いても15分で着いてしまう距離。言うならば地元。
その地元を歩きながら先程の話を思い返して、おかしな方向になったな…、とため息をついた。
別れ際、佳奈が私に
『翔様のこと、1回じっと見つめてみて
たぶん何かに気づくから』
と、意味深な言葉を残して笑った。
あの笑い方は危険なやつだ。彼女が何か企む時、無意識にする危険なやつだ。
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