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君の声で

第6章 庶民的








「…………」

「…………」

「佳奈…実はそうゆうわけで…
 こちら、幼馴染の櫻井翔くんです」



三井君にバレてから数週間後、翔くんにお願いして佳奈にも会ってもらうことになり。

学校内はさすがまずいので、近くの個室カフェへ足を運んだ。



「えっと…佳奈ちゃん?
 初めまして、櫻井翔です」

「…うっそでしょ」



佳奈が翔君を見たまま動けなくなっている。

そ、そりゃそうだよね。

そんな珍しい佳奈を見て、三井君が口を開いた。



「いや、佳奈、俺も初めは驚いた。
 でもマジなんだって」

「えってか慶太、
 なんで佳奈より先にその事実知ってんの。
 佳奈そっちの方が驚くんだけど」



今まで驚きのあまり瞬きもせずに翔くんを見ていた佳奈が、右隣りにいる三井君の方へグルンと顔を向ける。



「は!?お前驚く場所違くない!?」



結構大きな秘密を打ち明けたのに、2人はもういつもの様子。

そんな二人を見て



「…っぷは、あははっははっはは!」



翔君は涙目になりながらお腹を押さえて噴き出した。

その行動に私も佳奈も三井君もポカーンと呆気にとられてしまう。



「あーあ、2人とも漫才みてぇ」



その言葉に再び口を開ける私達。 暫くして佳奈が口を開いた。



「………へえ、翔様って以外」



佳奈がにっこり、いや、ニンマリ笑う。




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