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君の声で

第4章 翔くん











「ねえ、今日の翔様見た?
 相変わらず超カッコ良かった」



授業終わり、大学内にあるカフェ。

授業に空き時間があるとここへ来てくだらない話に花を咲かせるのが私たちの日課。



「うん、カッコ良かったね」



今は" 嵐、櫻井翔 "の話も普通に出来るようになった。昔はよく佳奈の唐突な翔様って言葉にビクっとしてた私。

彼女にも幼馴染だということはまだ告げられずに。正直罪悪感でいっぱいだが、伝えるタイミングが掴めず今に至る。

佳奈は大学入ってすぐに全学年の男子をチェックしたらしく、その中で合格が出たのが翔君だけだったそうで。

それまで嵐の存在すら知らず、大学で見つけた唯一のタイプがまさかの芸能人。それを知った時は「やっぱり佳奈ってお目が高い」なんて高笑いしていた。



「櫻井ってほんと真面目だよな。
 仕事しながら授業も出てさ
 その上成績優秀、イケメン、
 俺でも惚れるわ」



翔くんを褒め称えるのは三井慶太くん。私たちと同じ経済学部。

彼とは佳奈繋がりで知り合った。なかなか友達作りの下手な私にとって、三井くんは唯一の男友達で、気兼ねなく話せる人である。

空き時間があると、佳奈と2人か三井君と3人でいることが多い。



「慶太はね…頑張ろうね」



細めで三井君を見る佳奈に、私は一生懸命笑いを堪えた。



「うっせぇ佳奈!こら主人公名前、
 笑ってんのばれてんぞ」

「ごめんなさい」

「てか慶太、 翔様と友達になってよ
 でもって佳奈に紹介して」

「あ?佳奈に紹介したとして櫻井は
 うるさい女タイプじゃないだろ」

「確かに
 佳奈みたいなタイプ嫌いそう」



と自分で言って笑う所が佳奈らしい。




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