第3章 大丈夫
見てたんだ…。
心配そうな彼を見て、なんだかまた昔を思い出してしまった。
なんでだろう。
翔君の心配そうな顔を見ると「大丈夫、頑張れる」って背中を押されるような、そんな気持ちになる。
『 だ い じょ う ぶ 』
私も同じように口をパクパクさせて、それをすぐに読み取った彼が「よし」とでも言うように笑顔で頷き、周りにいる友達の方へ体を向ける。
「…ふふふ」
しゃがんでいた佳奈が私を見て笑った。
「なに、思い出し笑い?」
「んはは、」
もう一度、彼の方を見ると楽しそうに5、6人の男の子と笑っていて。
こうやって見ると、やっぱり普通の男の子で私にとってはただの幼馴染みで。