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君の声で
第3章 大丈夫
12時55分。
「…ま、間に合った」
車で来たはずなのに、ぐったり疲れる私達。隣の彼を見ると私よりも青ざめた顔をしていたので驚いた。
「翔君、大丈夫?」
「…な、なんとか」
自分で運転したのに「気持ち悪い」と今にも吐きそうな彼の背中に慌てて手を置く。
「だ、大丈夫?行けそう?」
背中を擦ると涙目で「大丈夫、」と言った彼を見て、幼い頃大きな目に涙を溜め「主人公名前ちゃん」と私の服の裾を掴む、そんな淡い記憶が蘇った。
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