第2章 prologue
『はい。便利屋stormです』
客『あの、ティッシュのチラシを見て電話したんですけど…。本当に何でもしてもらえるんでしょうか?』
『はい!法に触れること以外なら何でもします!』
客『そ、そうですか…。それじゃ、あの…───』
『そのご依頼、松岡が確かに承りました!』
電話を切って、メモをビリっと破く。
依頼内容をレポート用紙に書き出していく。
俺は、便利屋をする前は会社に勤めていたんだが、どうにも機械が苦手で。
従業員に、せめてExcelとWordくらいは使えるようになってくれ、と言われてはいるんだが…。
さてと、依頼内容をレポートしたし、依頼人に面会してこようかね?
「依頼人に会ってくる」
うちは、従業員が2人しかいない。
そのうちの一人に、言付けて事務所を出ていく。
もう一人は、まだ来ていない。
いつも、始業開始時間ぎりぎりにやって来る。
うちの従業員は、2人とも自由人だ。
初めは纏めようとしたが、無理だと早々に悟った。
2人とも高校からの付き合いだからか、俺のことを社長とは見てねえんじゃねえかって思うほどだ。
今だって、俺が出掛けるのをいいことに、椅子に凭れて寝始めたしな、ハハハ…。
やっぱり社長たるもの美人秘書だよなあ…。
あーあ、どっかに居ねえかなあ?
美人…じゃなくてもいいから、俺のことをたててくれるやつ…。