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先生とわたしの恋物語

第7章 旅行


次の日。私は車に乗せられて高速道路を走行した。どこへ行くの?と聞いても田中先生は運転に集中して、全然教えてくれないのだ。


「もーーー、どこ行くんですかーー!いい加減教えてくださいよー」

大きな声で喋らないと自分の声さえ聞こえない。ゴゥゥーーっと強風が吹きつける。私は外を眺めた。途端に助手席の窓に、へばりついた。


「わぁぁあ!海!海ですよ!田中先生!!見て見て見て!!」

海峡大橋を渡った。助手席の窓から下を覗くと青い海が見えたのだ。今日は快晴だ。日差しが海に反射してキラキラ輝く。

「綺麗ーー。先生!ほらほら!見てくださいよ!海!波!船!めっちゃ綺麗ですよ!」

雲一つない高い空!
壮大な青い海!

歌に出てきそうなフレーズだ。なんて素敵だろう。風景画を描きたい衝動に駆られた。爽快な気分だった。


小さな船や旅客船が大海原に浮かぶ。車内のスピーカーから、ラジオが軽快に放送された。

女性のパーソナリティの人が、今日の天気は晴れで暖冬の影響で、さほど気温は下がらないと伝えた。次に流行りの音楽が流れた。


「綺麗で素敵ですねーー、せんせーー結局どこに行くんですかー」

また聞いた。わたしはしつこい。田中先生はサングラスをかけて運転中だ。全然こっち見ない。前ばっか見てる。とうとう口を開いた。

「あーーあーー。もうっうるせーな。海だろ、ハイハイわかってるよ。今あぶねーから話しかけんな」

どの車もアクセル全開で走る。追い抜かれた。いや、前の車は速度オーバーだ。超危険だ。トラックもガンガン突っ走る。超恐い。絶対車なんて運転したくない。

橋の上は風が強く吹いた。少しだけどんな感じかなと思って窓を開けたら、ビュンビュン冷たい風が入ってきたから、すぐに閉めた。紙とか持ってたら飛ばされそうだ。

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