第6章 先生のお家 R18
「先生、待って待って、どこに行くんですか、オートロックですよ!ここ!あとカバン返してください!先生重たいですよ!」
って先生を追いかけた。全然止まらないし、待ってよ先生!
いや待ってよ、ここどこ!
「あ?それがどうした。みんなマンションはこんなもんだろ」
なんて普通に言うけれども、わたしの友だちの中に、こんな超高層マンションに住む友人はいない。絶対いない。
「ほら早く来い」
「いや、あの、先生、鬼…」
ぜぇぜぇ息があがる。
やっと止まってくれた。
「先生、ありがとうございます。カバン大丈夫ですよ?自分のだし、持ちます」
黒のスポーツブランドのボストンバックには、着替えやパジャマ、歯ブラシ、とにかく必要なものを入れ込んだから絶対重いのに、先生は持っていっちゃうし。
「お前は黙ってついてくればいい」と肩を叩かれた。絶対ダメなのに。申し訳ない気持ちが溢れる。なんで泊まらせてもらうのに荷物まで持たせちゃってんのーーー!!
田中先生は鍵をセンサーに当てるとガラス扉が開いた。まだ扉がある。マンション入り口から数えてたら3個目だ。
「え、まだあるの?」
その扉を開けてさらに廊下を歩いた。廊下の左側には管理室があり、小窓には監視カメラをチェックする管理人さんがいた。
赤い絨毯が廊下に敷かれている。
なんだここは。
「おかえりなさい」
と管理人さんに言われ、わたしは反射神経並みに会釈をした。
なんだここは。
先生のご自宅らしい。高層マンションで何階あるのか下から数えたが、途中から分からなくなった。駐車場に入る時点でおかしかった。
なぜなら、わたしでも知ってる高級車ばかりが駐車されていたのだ。
もう一度言いたい。
なんだここは。