第3章 12月10日 R18
「市川を抱いた証だ。もっとしてもいい。嬉しいんだ」
「ーーーーっ」
息が止まるかと思った。まさかそんな言葉を先生が言うなんて、信じられない。わたしが見入っていたせいか、田中先生は表情を緩ませる。
ぽんぽんと、頭を軽く撫でたあと、
腰に手を添えた。
「悪い、最後まで挿れるな、市川」
ググッと最奥まで突き上げる。
深い場所まで、押し付けられて、痛みと快感が混じり合い、卑猥な喘ぎを漏らした。
「はぁぅ…ぁぁん、田中、先生……」
「市川……」
一部しか繋がっていないのに、全てを田中先生で満たされた気持ちになる。
田中先生は、腕で濡れた汗を拭ったあと、わたしの背中にふわりと手を回す。
「市川」
わたしを柔らかく抱きかかえ、先生は大きく息を吐き、
耳元で優しく声を出す。
「……痛いか? 悪い……慣れるまで少し待つから、男と女は、本当に不公平だな、色々」
頬を撫でる田中先生の掌は、優しくて、あたたかい。
わたしの身体を気遣う言葉をかけてくれている。
愛しそうな瞳で、わたしを見つめ、また甘いキスを濃厚に交わし始める。
先生は、挿れたまま、身体を重ねて、心がこもった愛撫をしてくれていた。
先生の心臓の音は煩いほどに早く脈打つ。
わたしも 心拍は早く動いていた。
「市川、動くぞ」