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先生とわたしの恋物語

第1章 12月7日


「さっきは邪魔が入って残念だったな。もう一回して良いか?」

びっくりした わたしの頬に
手を触れ、またキスを始める。

「……田中…先生……」

歯列を分け入った先生の舌は、
今度は優しくて、でも唇を離さないように、
密着させる。

「市川……可愛い……」

田中先生はキスをする時、相手の顔を見るのが好きみたい。優しい視線がわたしと重なる。

先生、やっぱり上手……
いっぱい経験あるのかな……。

すると、先生は、ゆっくり引き離した後、袖口をめくり、カルティエの文字盤を見つめた。

「……寒いな、ここ。市川、門限は9時半だったな? 家族に連絡しとけよ?」

門限まで知ってるとは、これには少々驚いてしまう。眼鏡担任、しかし今回はグッジョブ。 速攻で母親にメッセージを送った。だけど不思議に思い、先生の顔を見る。

「……? どうしてですか? お家に帰るだけなのに?」

腹が減っただろ?っと言って頭を撫でて、先生は廊下へ出たから、わたしも急いで後ろを追いかけた。

「え!? どこか、連れてってくれるんですか?」

美術デザイン教室の鍵を閉めた先生に並び、
歩きながら嬉しそうに聞いた。

「ああ、今からじゃあ、適当な店しか、連れて行けないけどな」

こちらを見てにっこりと笑う。

「嬉しい! 先生となら、どこだって良いです!」

先生とデートみたい! わたしはスキップしちゃうぐらい足取りが軽く、車へ向かった。


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