第1章 12月7日
現在、美術専門の高校三年生なんだけど、大学進学は決まってるし、あとは卒業を待つだけの、お気楽な人間。
それが、わたし。花奏 市川。18歳で、関係あるのか、ないのか分からないけど、誕生月は5月生まれ。
全ての荷が降りたから、こりゃバイトでお金を稼ぎまくって、いっぱぁぁい、遊びまくるぞーー、と靴屋のアルバイトをガンガン入れて、ひたすら働きまくっていれば、課題の提出期限を、すっかり、さぁぁーーぱり、忘れていた。
ハッチャケ過ぎたらしく、期限を大幅に過ぎてから、アナウンスで呼び出しを喰らい、何の事やらさぁぁっぱり分からずに、るんるんで美術デザイン教室に行けば、能面で怒りを露わにした田中先生。本名、田中 健斗様がいた。
その静かに怒った顔を見て、やっと自分が美術のデザイン課題を提出していなかった事を、ようやく思い出す。
はぁ……溜め息が出てしまうほど、田中先生は、今日もカッコいい。2人きりだから、余計にドキドキしちゃう。
甘いマスクに、スタイルバッチリ。
いつも黒を基調とした服を着てて、うーん、芸能人で言ったら、嵐の櫻井君の髪を真っ黒にして、怒らせた顔を想像したらバッチリ田中先生になるかな。あと身長を183センチにしたら、もう言う事が無いね。それが先生になる。
みんなは、田中ッチ、田中ちゃん、健斗ちゃん、やら、諸々様々な愛称で呼んでるかな。わたしは、あんまり深く付き合いたく無くて、そのままだけどね。