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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第72章 悪夢を




「!」
「貴女も来るんですよ」

走って行くコナンくんを追い掛けるように走り始めた彼は、私の傍を通り過ぎるその瞬間、手を取ってはそれを引いて走り出した。

急な引力にバランスを崩しながらも、何とか体勢を整えながら、足を必死に動かして。

口調から今は透さんなんだと思う反面、態度や雰囲気は零にも思えて。

繋がる手からは温もりではなく、いつもの冷たい感覚を感じ、それはどこか安心するような気もした。

「ここだよ・・・っ」

コナンくんが足を止めた場にある消火栓には、無数にのびてくるコードが中へと続いていて。

確かに、消火栓にここまで沢山のコードが伸びてくるのはおかしい。

透さんの手がそっと自然に離れると、そのまま消火栓を調べ始めて。

その背中を見つめては、何故か胸がざわついた。

それは所々にある無数の傷と・・・恐らく彼のものであろう血痕のせいだろうか。

不安、疑問、安堵、歓喜・・・複雑に混じりあった感情が、思考も同じようにかき混ぜていく。
単純な判断でさえ、今はできそうになかった。

「どう、安室さん?」
「もう少しだ・・・」

彼らの少し後ろで作業を見つめては、ここでも何も出来ない自分を無意識に責めた。

何か少しでも力になれれば良いのに。
その小さな何かさえも見つからない。

「・・・これで大丈夫だ」
「良かった・・・」

どうやら消火栓には、開けたら即爆破するようなトラップが仕掛けられていたようで。

安堵のため息を漏らすコナンくんが、透さんと何か続けて話している中、突然、赤井さんが急に姿を現した。

と言うよりも、どこからか降って来た・・・という方が正しいのかもしれない。

上の方の様子を見て来たようだが、どこから飛び降りても危険そうな場所しか、ここからは見えなくて。

ここは流石、FBI・・・と思えば良いのだろうか。



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