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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第65章 不行跡




「それにしても、災難でしたね・・・まあ、コナンくんは今に始まった事ではないですけど・・・」

今に始まった事ではない・・・?

「どういう事ですか?」
「コナンくんが居る場所はよく事件が起きるんですよ。最近は安室さんも、よく出会すようですけど」

・・・そういえば以前、軽井沢の別荘でコナンくん達といた時も、事件に巻き込まれた。
いや、その前にミステリートレインでも。

彼が事件を呼ぶのか、事件が彼を呼ぶのか・・・。

そして、言われてみればどちらにも零がいた。
・・・今回を含めて。

「如月さん?」
「あ、すみません・・・ボーッとしちゃって・・・」

高木さんは何だか不思議な人だ。
話していると落ち着く気がする。

気が抜ける、とも言えるけど。

・・・ただ、彼はあまり刑事には向いていないような気もする。
きっとその優し過ぎる性格が、そう思わせるのだろう。

「大丈夫ですか?体調が悪いようでしたら座っていてくださいね」
「ありがとうございます」

お礼を告げると、高木さんは上司の元へと走っていって。

その背中を見つめながら小さくため息を吐くと、全身の要らない力がスっと抜けたように脱力感が体を襲った。

「浮気はダメですよ」
「わ・・・っ!」

突然背後から囁くように声がして。
抜けていた力は一気に戻り、体を大きく震わせた。

思わず声を上げながら振り向くと、そこには少し不機嫌そうな零がいた。

「し、してませんよ・・・!」
「そういう事にしておきます」

冗談なんだろうけど、と思いつつも、今の零は本気で言っていそうだ、とも思って。

近過ぎていた顔を離され、それを目で追っていると、知らぬ間に掴まれていた腕を引っ張られて。

「少しの間離れるが、梓さんには近付かないように」

そのまま腕を引かれながら少し歩き、その最中に小声でそう言うと、彼の手はスッと離された。

その言葉で、彼女がベルモットである事は確信となって。

そのまま事件現場であるステージへと戻る彼の背中を、ただただ見つめた。



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