第64章 戒めて※

「っあ･･･や、あぁ･･･っ！！」

奥深くまで彼を飲み込んだまま腰を前後に揺らされれば、感じたことのない快楽がまた体を蝕んでいって。

「待っ･･･だめ･･･ッ！」
「待たないし、ダメでも･･･ないだろ･･･っ」

こんなの。
またすぐに。

「や･･･！れい･･･っ、とめて･･･！！」

それでも、恐らく何割かは自分で腰を動かしている。
勿論、無意識の内だけれど。

段々と目の前が真っ白になり、自分が自分じゃ無くなるような感覚。

「何回でも･･･イけば良い」

少し低い声で吐息混じりに言われれば、それが引き金となって。

「あっ、ぃあ･･･あ･･･あぁぁぁ･･･！！」

呆気なくまた果ててしまって。

それでも。

「･･･っあ、待っ、て･･･も･･･あぁッ！！」

彼による動きが止められることは無くて。

「優しくできないって･･･言った、だろ･･･」

そう言いながら、繋がったまま今度はベッドに押し倒されて。

角度が違えば快楽も違う。
変化を見せたそれに、イったばかりのせいもあるが、体をフルフルと震わせて。

「あぁっ！･･･っ、あ･･･んぅ･･･う、あ･･･ッ！」

敏感過ぎるくらいにまで成長してしまった体は、僅かな快楽をも正確に拾い集めた。

彼が動く度、自分の意志とは関係無くビクビクと痙攣し、声を漏らす。

あまりにも動物的な行動でも、何故かその瞬間は幸せを大きく感じていて。

それは、今この瞬間だけでも、彼は私しか見ていないということを実感できる、優越感に浸れるからだろうか。

そうだとすれば、私はこの上なく醜く、この上なく･･･貪欲だ。

「･･･っ、ひなた･･･」

彼の声がまた絞られて。

零が乱れる姿はとても艶めかしくて。

それは女の私が羨む程、綺麗なもので。

「れ･･･い･･･っ」

快楽に歪む表情が、私の中の何かを掻き回す。

その度、快楽を拾う正確さや感度が上がっていく気がした。