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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第64章 戒めて※




「・・・・・・っふ・・・」

暫く唖然としたような表情を見せた後、彼は突然吹き出すように笑いを漏らすと、その顔を隠すように口元に手の平を当てた。

「ど、どうして笑うんですか・・・!」

笑えるような事を言った覚えは無いし、した覚えもない。
彼の行動の意図が、全く分からなくて。

「・・・悪い、つい」

それで答えになっているとでも思っているのだろうか。

まだ笑いを堪える彼に、恥ずかしさからくる怒りを覚えながら、ふいっと顔を逸らせた。

「私は真面目に言ったつもりですよ・・・」

ポツリとそう漏らせば、悪かった、ともう一度謝りながら彼が優しく抱き締めてきて。

「ちゃんと伝わってる、ありがとう」

ああ、ズルい。
そんな声で言われたら。

僅かに湧いてしまった怒りも、一瞬で消えて無くなってしまう。

「・・・でも」

と、思えばその声のトーンは一瞬にして変貌を見せて。

「・・・!?」

一瞬体がフワリと浮いたと感じた時には、もうそれはどこかに落ちていた。

柔らかいそこに背中が押し付けられていて。

覆い被さる彼の姿を視界に入れれば、そこがベッドの上だということは、すぐに分かった。

ただ分からないのは、何故この状況にされたかで。

疑問符だらけの表情を彼に向ければ、返事は不敵な笑みで返された。

「お仕置きは必要みたいだな」

その言葉でやっと気付けた。
やっぱり私には、そういう能力は空っぽのようで。

気を抜いて敬語が出てしまっていた事に、今更気付く事も含めて。

「も・・・もう言わな・・・!」
「問答無用」

私の言葉をバッサリ切り捨てた瞬間、彼の顔が耳元へと向かってきて。

柔らかく、熱い彼の舌がねっとりと耳を舐め上げると、自然と体はピクピクと反応を示した。

「ん・・・っ!」

突然の快楽に、声が我慢できるはずも無くて。

「れ・・・っ」
「あの男と同じは嫌なんだ」

耳元で、小さな切ない声で囁かれたそれが胸を締め付けた。

顔こそ見えないものの、彼が今どんな感情を抱えているのかを察するには十分過ぎるくらい、切ない声で。


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