第37章 好きで※
避妊具を付けた透さんがベッドに横たわって。
慣らしてはいなかったけど、何故か彼を受け入れられる自信はあった。
「・・・っん・・・」
お互い、脱いでいるのは最低限の物だけ。
どこかそれは急いでいる二人を表しているようだった。
透さんのモノを少しだけ飲み込むと、自然と力が入って。手は彼の腹部へ置き、顔はなるべく隠すように深く俯いた。
「あ・・・っ、んん・・・ッ」
慣らしていないせいか、僅かな痛みが襲った。
それでも、早く、と体が急かして。
その欲望に応えるように、ゆっくりだが確実に腰を降ろしていった。
「・・・いっ、あ・・・っ!」
降ろすにつれて痛みは増していって。
やっぱり慣らしておけば良かった、なんて後悔もありつつ、それによって彼と繋がる実感があり、それすらも快楽に変わるようだった。
「・・・慣らしますか?」
歪む表情を抑えながら、優しく問いかけられて。
思わず痛いと言いかけてしまったことに、気付いたんだろうか。
お仕置きのはずなのに。
こんな時まで優しくて。
お仕置きだと言うことを従順に飲み込むように、彼の提案には首を振って拒否を示した。
「ふ・・・ぁ・・・、ぁあ・・・ッ!」
彼にとってはもどかしい快楽かもしれない。
そう思うと居た堪れなくなり、なるべく一気に腰を降ろした。
「・・・ッ、ゆっくりで構いませんよ・・・」
一瞬歪んだ透さんの表情に、欲情して。
もっと、彼が欲しい。
貪欲な気持ちは最高潮に達していて。
「・・・っ、は・・・ぁ・・・」
ペタン、と透さんの上に座り込んだことを確認できれば、全て彼のモノを飲み込んだことを実感して。
体は何度か一つにしたが、毎回どこか初めてのような気持ちだった。
抱かれる旅に愛おしさや欲望は醜いくらいに育ち、その度に悲しさや虚しさを感じていて。
私だけの透さんで居て欲しい。
これは彼の言うワガママ、なんだろうか。