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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第33章 間違い




「・・・え・・・?」

あまりにも突然過ぎて、聞き間違えたのかもしれない。

そう思い、思わず聞き返すような形で声が出てしまって。

「愛していますよ」

もう一度、今度はちゃんと視線を絡め合わせながら言われて。

心臓が、痛い。

過剰な働きのせいで、何もしていないのに息まで上がってきそうで。

「ひなたさんは?」

そう言われ、今度は心臓が締め付けられるように苦しくなって。

口にしてしまうと、この曖昧な関係に終止符が打たれてしまうのでは。
そんな無駄なことまで考えてしまう。

「・・・私、は・・・」

急かすような彼の視線に耐えきれなくなって、再び視線を外した。

彼が好きなのは今に始まったことではないし、それを彼も知っている。

彼からの言葉は本当かどうか知らないけれど。

「・・・・・・」

・・・そうだ。本当かどうか、分からないんだった。

ずっとそのことは分かっていたのに。
彼から愛を感じる度、偽りでも良いと思っていたのに。

いつからか、貪欲に彼を求めていた。

曖昧なままで良いと思いながら、偽りで良いと思いながら、私は彼を心から愛して・・・求めていたんだ。

分かっていたはず、だったのに。

「・・・ひなたさん?」

心配そうに見守るその瞳も、優しく触れる手も、私に向けてくれる笑顔や優しさも。

全てバーボンだとしたら・・・?

彼のように、言葉として彼に伝えられるだろうか。

「・・・透、さん」
「はい」

呟くように口にした彼の名前に、返事をされる。

私の中にはいつも醜い欲がいたんだと、今この瞬間はっきり分かった。

「透さんの言葉・・・信じて大丈夫ですか・・・」

何を聞いているのか自分でもよく分からないけど。
今、このモヤついた気持ちをどうにかするには聞かざるを得なくて。

「・・・信じて頂けませんか?」
「そういう訳じゃ・・・ないんです、けど・・・」

そんな悲しそうな顔しないでほしい。

疑ってしまうことへの罪悪感と、本当に偽りだった時の絶望感が酷くなってしまう。

何をどうすれば、この気持ちは晴れてくれるんだろう。



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