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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第1章 出会い




カランカラン・・・・・・


聞き慣れたドアベルの音。
扉を開いた瞬間から感じる、珈琲の香り。
年季の入った机や椅子。

「いらっしゃいませ」
「・・・こんにちは」

少し照れるように挨拶をすれば、カウンター席に腰掛けて。

何度来ても落ち着く雰囲気。
私の第二の家のような場所。

「いつものミルクティーで良いですか?」

食器やグラスなどを片付けながら、和やかな笑顔でカウンター越しに尋ねられて。

「そうですね、お願いします」

今日はちょっと甘めで、と付け加えて。

喫茶ポアロと同じ建物の二階には、あの有名な毛利小五郎の探偵事務所があって。

それがここに来る、最初のきっかけだった。


ーーーー

私は一件の依頼を持って毛利探偵事務所のドアを叩いた。
初めて入る探偵事務所というものに緊張はあったが、それ以上に得体の知れない不安が大きかった。

ノックをすると中から探偵事務所の軽そうなドアが開かれ、姿を見せたのはまだ高校生くらいの女の子だった。

「如月ひなたさんですよね?父から伺ってます。私、娘の毛利蘭です」

「あ・・・、初めまして。如月です」

あまりに所作が大人びていて。明らかに私の方が年上なのに挙動不審になってしまった。

こちらへ、と蘭さんに誘導されたのはよく会議室などに置いていそうな革張りのソファー。
言われた通りそこへ浅く腰掛けて。

「今、お茶入れますね」
「あっ、お気になさらず・・・」

やはり大人びている。
腰の辺りまで伸びたロングの黒髪がまた綺麗で。
きっとモテるんだろうな、と脳裏でこっそり考えた。

「ちょっと別件の調査が押してるみたいで。あと少しで帰ってくると思うんですけど・・・」
「ただいまー」

蘭さんが言いかけている最中に事務所の扉が開いて。
入ってきたのは通学鞄を背負った一人の少年だった。





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