第118章 番外2※
「ひなた・・・ッ、待・・・」
ここに連れて来たのは零だ、と静止を聞かず、挑発するように彼の胸ぐらを掴んで唇を重ねた。
・・・さっき、彼を止めなければ良かった。
そのまま大人しく襲われていれば良かった。
そんなよく分からない後悔のようなものをしながら、慣れない深いキスを仕掛けた。
「ッ・・・」
戸惑っている。
彼の呼吸と唇の僅かな震えから、それが伝わってくる。
恐らく、酷い葛藤が彼の中で行われているだろう。
この抗えない感覚は、私も嫌という程、味わったから。
少しは・・・分かる。
「・・・零」
唇を少し離すと、彼の目を見ながらベルトへと手を掛けた。
なるべく視線は私に向けるように。
彼には、私がしていることを直前まで見られないように。
・・・彼に少しでも、罪悪感のようなものが残らないように。
触れるだけのキスを繰り返しながら、何とか手探りでベルトを外すことができて。
・・・この先は、あまり彼に見られたくない。
それは先程の理由もあるけれど。
一番は私が・・・単純に、恥ずかしいからで。
「目、閉じてて」
その方がお互いの為だろう、と目で訴えると、彼の下着から主張するモノを解放し、包むようにそれに手を添えた。
「・・・ッ」
前に少しだけ聞いた事がある。
彼はこの行為を私にされるのが、少し苦手だということを。
実際、一度しようとして拒まれた。
それが何故なのか気になり、後日ふと彼に尋ねた事があった。
「・・・っ、ひなた・・・」
目先の気持ち良さがあっても、罪悪感と背徳感が、どうしても残るのだ・・・と。
彼は優しく、私の頬を撫でながら答えてくれたのを覚えている。
「・・・・・・」
・・・嫌では無い。
目先の気持ち良さもある。
その事実だけ今はあればいい。
彼が早く、少しでも楽になるならば、と。
慣れない手つきで手を上下に動かした。