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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第116章 安室2※




「ミステリートレインには何故、乗車を?」
「あれは・・・本当に、友人に誘われて・・・」

・・・雰囲気からして、満更嘘では無さそうだ。

その友人というのが沖矢昴を指しているのか、別の人物を指しているのかは、吐く気が無さそうだが。

「透さんは・・・どうして?」

バーボンの名をこちらから出して確認した以上、素直にそこは喋っても構わなかったが。

「僕は探偵です。ミステリートレインに興味があるのは、言うまでもありませんよね」

まだ、彼女には隠し通せたと思ってもらう方が良いと判断して。

無かったことにはしないが、再びそこを掘り下げることはしなかった。

「・・・その組織にいた兄のことは、まだ調査してもらえるんでしょうか」

やはり、彼女が組織について探ろうとしているのは、彼が関係しているから。

自分の中でそれは、気付いていたのに気付かないようにしていた事実だった。

逆を言えば、彼女が求める答えを提示出来れば身を引いてもらえる可能性が高い。

・・・だがそれは。

「ひなたさんが、望むのであれば」

完璧に近いものを渡すことは、恐らくできない。

「兄は・・・組織と関係があったんですよね?」

彼女は、僕がバーボンである事は確信している。
それは間違いないだろう。

その上で組織のことを聞いてくるなんて、僕が公安で無ければどうなっていただろうか。

「警察官として潜入していただけです。貴女の依頼が『彼の死の真相』というだけに、手こずってはいますが」

互いに、探り合っているなんて。
なんて歪な関係だろうか。

ただ、彼女が何か別の憶測を決めつけとして動き、何か行動を起こしてしまったら。
それはそれで問題だ。

「兄は、組織の人間に殺された」

・・・ブラフでは無さそうだ。
やはり少し憶測が走り過ぎている。

「まだ、確証はありません」

真実を話さず彼女を納得させ、組織のことからも手を引いてもらうなんてことが・・・僕にできるだろうか。

・・・彼女が確実に傷付く真実を、隠したままで。




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