第116章 安室2※
「とおるさ・・・っ、抜い、て・・・!」
達した後も、少し長めに微弱な快楽を与えた。
そうすれば、その瞬間は快楽に耐え切れずに首を振る女性が多いが、結局は。
「分かりました」
言葉通り、素直に動きを止めれば、体はそれ以上のものを求めてしまう。
ひなたさん自身も、それは例外ではないようで。
要望通り彼女のナカから指を引き抜くとが、彼女は体を小さく震わせながら、物欲しそうな表情で僕を見つめた。
・・・本当に、快楽とは麻薬だ。
一度落ちてしまえば・・・知ってしまえば。
抗うのは難しくなってしまう。
こういう事を始めてから、それは自分の目でいくつも確認してきた。
「・・・っ、と・・・とおる、さん・・・」
「抜いて、と言われましたので」
・・・余裕ぶった言葉と表情を彼女に向けてみるが、顔は取り繕えているか自信はなかった。
本当は、もう少し優しく。
もう少し、丁寧に。
なんて、頭では思っているが。
寧ろバーボンでいる今の方が、手加減できているかもしれない、と心の中でため息を吐いた。
「本当のことを話してくれたら、続きをしても良いですよ」
ここから彼女の自白を誘う。
人間、三大欲求に打ち勝つことは難しい。
頑固な彼女でも、今回ばかりは難しいだろう。
「透さんは・・・何が知りたいんですか」
・・・この感情は、安堵だろうか。
やっと話してくれる、というそれなのか、何も言わないでくれと思っている焦りなのか。
ぐちゃぐちゃの感情の中、笑っているのかどうかも分からなくなったが。
「・・・ひなたさん、組織のことを知っていますね?」
まずは、1つ。
大前提の確認をした。
その確認に彼女は。
「・・・はい」
僕の顔から視線を逸らし、体を震わせながら、小さくか細い声で短く返事をした。