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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第115章 番外1※




「ご、ごめん・・・」
「何故謝る」

それは手がその傷に触れてしまうのも、必然だ。
同じように手を伸ばし、私が付けたのだから。

でもそんな傷を作っているとは思わず、謝罪の言葉を口にしたけれど。

彼は必要ない、と頬をもう一度優しく撫でて。

「僕にとっては大事なものだが?」
「・・・ッ」

ああ・・・ズルいなあ。
私に非があっても決して責めず、寧ろそれを武器にしてしまうなんて。

もう少し、怒ってくれてもいいのに。
・・・なんて、贅沢な我儘だ。

「!」

そんな事を考えていれば、いつの間にか体を起こし、気付けば彼を押し倒しその上に私が馬乗りになっていた。

「・・・ひなた?」

戸惑うのも無理ない。
あまりにも私の行動は唐突過ぎたから。

「う、俯せになって・・・っ」

この言葉も、同じように。

でも彼は大きく目を見開き動揺したまま、私の言葉に大人しく従って俯せになった。

「・・・・・・」

露わにされた彼の背中を、まじまじと見るのは初めての事かもしれない。

私が付けた傷以外にも、細かな傷が幾つもある。
もちろん、大きな痛々しい傷もあるけれど。

その1つ1つに視線を落としながら、恐る恐る傷の1つに指を這わせた。

「・・・ッ・・・!」

その瞬間、彼の体は小さくピクリと反応を示して。
疑っていた訳ではないが、背中が弱いというのは本当のようだ。

「ひなた・・・っ」
「動いちゃだめ」

振り返り私を見あげようとする彼を押さえ付けると、彼も少し諦めの様子を見せて。

それを確認すると再び傷の1つに触れ、いつも彼が私の傷へとそうするように。

触れるだけのキスを落とした。

「・・・ッ!!」

彼から見えないせいか、その反応は先程よりも大きいものになって。

それを見て意地悪にも優越感を感じてしまったのは・・・彼には秘密にしておこう。



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