第114章 安室１※

深く口付けするが、苦しくはならない程度に。
流れに身を任せるように、彼女の舌を絡めた。

「んっ･･･！」

その最中、彼女のナカに埋め込んでいた指をゆっくりと引き抜いた。

２本の指で慣らす程度では、不十分だったかもしれない。
いや、きっと不十分だ。

けれど。

「･･･本当はもっとゆっくりしてあげたかったんですが･･･僕の方が限界です」

このままでは、僕自身がどうなるか分からない。
彼女を･･･壊してしまいかねない。

そうなっては、状況をここまで持ってきた意味が無くなってしまう。

愛撫の合間に避妊具を付けることにも慣れてしまった。

しかし彼女相手にそれをしてしまったのが失敗だったと気付くのは、かなり時間が経ってからのことで。

「･･･ひなたさん、ゆっくり呼吸をしてください」

彼女の秘部に、自分のモノをピタリと付けた。

･･･今まで、こんなにも緊張する事があっただろうか。

恐らく、世間一般ではこれが普通なのだろうが。
僕にとって普通という言葉は、この上なく縁遠いから。

「呼吸、止めないでくださいね」

とりあえず、互いに苦しくならないように。
そう断りを入れたけれど。

「･･･っい、ああぁ･･･っ！！」

ナカに入っていく瞬間、彼女の力という力が込められた。

痛みとは違う苦しさが、僕の肺をも掴むようで。

「･･･っ、息･･･止めないで･･･っ」

声を出すのもやっと、だ。
きっと、彼女の方が苦しいだろうに。

･･･情けない。

「･･･でき、な･･･で、す･･･っ！」

首を振って不可能だと訴えてくるが、このままでは本当に互いが潰し合うだけだ。

元はと言えば、僕が悪いのだけど。

「っ、･･･ゆっくり、吸って･･･」

そう誘導すると、彼女はゆっくりと空気を取り込んだけれど、肺に貯めきれないまま吐き出してしまう。

これは体力勝負だなと察しながら、何度も何度も言葉で誘導し、彼女の呼吸が整うまで待った。