第112章 恋愛で※
「どう、されたい?」
質問を重ねられたが、やはり素直に答えることなんてできなくて。
甘やかしたいと言った彼の言葉を疑う気持ちを膨らませながら、言えないのであればと意を決した。
「ッ・・・」
私の手を掴む彼の手を掴み返すと、その手を自身の胸の膨らみへと勢いよく押し付けて。
何の色気もない行動に、自分でも引いてしまうくらいだけれど。
「さ、触ってほしい・・・ッ!」
結局、欲望の塊も勢いのまま出てしまった。
「・・・・・・」
そんな私に呆気に取られたのか、固まった彼は私に胸へ押し付けられた手を掴まれたまま、数秒間を開けた。
「ふ・・・っ」
「!!」
かと思えば、いきなり吹き出して。
その顔を私の胸元へと押し付けた。
「今日は随分乱されるな」
抑えきれない笑いが、私の胸元に吐き出されていく。
それは戸惑いも生んだが、それ以上に。
「そんなに可愛い顔をしないでくれ」
恥ずかしさと、身勝手な怒りが出てしまう。
きっとそれが全面に出た表情をしていたのだろうけど。
彼はその表情を見るなり、また笑いを1つ零して。
「そそられる」
一瞬にして悪い表情へと変わると、掴まされていた胸を優しく揉み上げ始めた。
「ん、ぁ・・・っ」
胸を手で包みながら、時折蕾を指で刺激する。
そのむず痒いような感覚に、小さく甘い声を漏らした。
「・・・甘やかしてやりたいと思っていたが、やはり虐めたくもなるな」
もうずっと、虐められている気の方が強いけれど。
今までのは、彼なりの甘やかしだったのだろうか。
「っンん・・・!!」
そんな事を思っている好きに、今度は蕾へと彼の唇が落ちてきて。
ビクッと大きく体が震えると、押し出されるように声も出てしまった。
「可愛くて、仕方がない」
そう言い終わるか否か。
蕾に彼の温かい舌が這った瞬間。
酷く甘い、気の抜けた私の声が部屋に響き渡った。