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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第112章 恋愛で※




「以前・・・お付き合いしてた方です」

ここで隠しても濁しても仕方がない。
だって彼も察しているのだから。

「そうでしたか」

今は安室透としているのだろうから、と敬語で返せば、彼も同じように返事をして。

「ひなた・・・この方は?」

やり取りを見ていた目の前に立つ彼は、零と私の関係性を尋ねてきて。

その質問に、私は。

「こ・・・」
「夫婦です」

恋人です、と言いかけた。
それよりも早く、零が答えを隠してしまったけれど。

「ふ、夫婦って・・・ひなた、結婚したのか・・・!?」
「あ・・・うん・・・」

言って良かったのだろうか。
でも言ったのは零だから。

戸惑いつつも、その確認には首を縦に動かした。

「そっか、おめでとう!」

こういう時、元彼というのは素直に祝福の言葉をかけてくれるものなのだろうか。

それとも、やはり彼が特殊なのだろうか。

「じゃあ、ひなたって呼ぶのは失礼だったな。如月さん・・・?」

私達は所謂、事実婚のようなものだから。
正しくは、そうだけど。

「安室になりました」

私が答える前に、零は否定するように、そう答えた。

「安室さん!これからもよろしくです」
「こちらこそ」

誰にでも優しく、人懐っこい。
だから強い意味は無いのかもしれないけれど。

彼の“これからも”という言葉にヒヤッとした。

「じゃあ、お邪魔になるから俺はこれで。連絡先聞いてごめんな」

・・・また謝った。
そう脳裏で考えながら、今度は首を横に振って。

「安室さんも、また!」
「ええ、また」

零を横目に手を振りかけると、見送られる彼は最後に私へ、ニッと笑顔を向けて。

「元気でな!」

そう、別れの言葉を告げたから。

「うん、ヒロくんも」

その呼び方に懐かしさを感じながら、笑顔で見送った。



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