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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第111章 きっと




「それで、ひなたの答えは?」
「・・・・・・」

明確にそれを口にすることは可能だが、それが自分にとって正解なのか分からない。

今更そんなこと悩んでも仕方がないのだけど。

「・・・私が一番望んでるのは、零を安心させることだよ」

何となく彼が口ごもってしまう理由も感じ取りながら、私も表面上の答えを口にした。

「不必要に不安にさせたり、心配したりしないように。そうできれば良いなって思ってる」

嘘偽りは無い。
間違いの無い本音だ。

それは今朝彼の目の前で口にしてしまっているから、本人も知っていることだけど。

「それは今、掘り返しても構わないということか?」
「掘り返しても何も出ないよ・・・!」

その今朝の時は適当にはぐらかしてしまったから。

あの時変なことを口にしなければ・・・彼は大人しく眠ってくれていたのだろうか。

そう思うと、色々悔やまれる。

「・・・残念ながら、僕が公安である以上それは難しいことだな」
「だろうね」

重々承知だ。
再三言われていることでもある。

「でも、誰かの所に行っちゃうかも、っていう不安は?」
「・・・無い、と言えば嘘になるな」

そういう不安を、感じさせたくない。

仕事上で感じる不安や心配は、もうどうしようもない。
けど、そうでない不安は取り除くことだって可能なはずだ。

・・・可能なはず、だ。

「だからちゃんと結婚しちゃえば、そういう不安も感じなくなるのかなって思ったの」

私がこれに拘っていたのは、多分そういう事だったのだと思う。

私がその紙切れ一枚を出したいのではなく、彼がそれで安心するなら出したいと思っていたのだと気付いた。

きっと零も、志保さんからそれくらいのことは聞いて・・・。

「・・・そういうことか」

・・・いないようだ。




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