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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第106章 ゼロへ




「・・・ジョディさん」

白煙が避けると、そこには銃を構えた彼女の姿があって。

確かに後で合流するとは言っていたけど。
今、このタイミングは・・・どうなのか。

零も相手が銃を向けているせいか、再び銃を構え直して。
今度は私が握っていた、それを。

「車から無防備に放り出しておいて、よく言う」

・・・そういえば、そこも僅かに気になっている。

ジョディさんは後で合流すると言って、実際こうして合流は果たした。

けれど、どうしてあの時一緒に車を降りなかったのか。

何故、私だけを先に行かせたのか。

どこか脳裏で疑問はあった。

「こっちにも都合があるのよ」
「そちらの都合だけで、大事な彼女に傷をつけてもらっては困ると言っているんだ」

互いに睨みをきかせながら。
一歩も譲らない姿勢のまま、零は徐ろに左手を私達へ見せるように背後へやった。

私達、と言うよりは風見さんへ見せたのだろうけど。

その手は2本だけ指を出したり、親指のみを出したりと、何かのサインを風見さんに出しているように見えたが、勿論私には意味が通じなくて。

「・・・如月さん、すみません」
「え・・・」

私を包むように庇っていた風見さんが小さな声で一言そう言うと、体はフワリと地面から離れて。

「かざ・・・っ」

抱き抱えられたと思った次の瞬間には、風見さんが走り出していた。

前を向かせないようになのか後頭部に手を回され、横抱きとも言えないような体勢。

そのまま壁に向かっていると気付くと、何故という疑問よりも、ぶつかるという恐怖が強くなって。

「・・・ッ!」

思わず固く目を閉じた。

その瞬間、何発かの発砲音が響くと、体に軽い衝撃を受けて。

「大丈夫ですか・・・っ」

何がどうなったのかと瞼をゆっくり開けると、絞り出すような風見さんの声が、私の下から聞こえた。

「・・・か、風見さん・・・!?」

頭をあげれば、いつの間にか彼を下敷きにするような形でその上に乗り、その下敷きにされた彼は頭から血を流して倒れていた。



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