第104章 終って※
「・・・痕、つけていい?」
ちゃんと見えない所につけるから。
そう尋ねると、彼は短く了承の返事をしてくれた。
「・・・っ・・・」
体を動かすと、私のナカで彼のモノの位置が変わる。
それに体を軽く反応させつつも、唇を彼の心臓辺りの場所へと触れさせて。
一度軽く口付けると、そこから彼の鼓動が伝わってくるようだった。
吸い付きにくい場所のせいで少し苦労はしたけれど、それでも何とか精一杯強く吸い上げて。
今までの中ではそれなりに濃く、はっきりとしたものにはなっていた。
「・・・っ、は・・・ぁ・・・」
これが何日もつのだろうかと息を整えながら見つめていると、スッと彼の手が頬を滑ってきて。
「ひなた」
今日も事ある事に名前を呼んでくれる。
彼が言うには確認らしいけれど。
私がここにいるという、確認。
「ん、っく・・・ンん・・・」
そのまま彼の手が後頭部へと周り、グッと引き寄せられると、今度は唇へと口付けて。
どちらからとも言えないそれに、必死になって舌を絡ませた。
「ふ・・・っ、あ・・・んぅ」
舌が絡む度、角度が変わる度、リップ音が部屋に小さく響く。
物が少ないせいか、この部屋は反響が大きい気がする。
「・・・ッ、ひなた・・・」
ゆっくり唇を離し、肩で息をしながらトロンとした目で彼を見つめては、再び唇を降ろした。
・・・今度は、彼の耳へと。
「・・・ん・・・」
初めにそこへ軽くキスを落として。
その瞬間、ナカで彼のモノが再び大きくなったように感じた。
「・・・っ、ん・・・」
耳の縁をなぞるように舌をゆっくり這わせた瞬間、彼から僅かだけれど声が漏れた。
それに驚き思わず少し顔を上げて彼を見れば、ほんのり顔を赤く染め、口元に手を置く彼の姿が目に入った。
「・・・声くらい出る」
私から目を逸らしそんな事を言う彼に、らしくないと思いつつも、同時に酷く愛おしく感じてしまって。