第101章 知って※

「･･･色々、と･･･」

目が泳ぐ。
これは自意識過剰なのではないかと、言いながら気づいてしまったから。

「例えば？」
「やぁっ･･･！」

･･･どうしてそんな嬉しそうな声で尋ねてくるのだろう。
顔こそ見れないものの、その感情だけは声で伝わってくる。

そしてわざとか否か、彼の指が敏感な場所を刺激し始めて。

「･･････っ」

何て言えば良いだろう。

零が私の事を嫌いになる事は絶対無いと言えるが、私の気持ちは伝わっているかどうか。
彼を不安にさせていないか考えていました。

･･･そんな身勝手な答え。

答えとしては正しいが、正解なのかは分からないそれに、泳ぐ目を止められなかった。

「れ、零は･･･っ、嫉妬なんて感じなくても良いくらい愛されてるのに、不安にさせてるのが情けな･･････」

･･･言いかけて、やめた。
言う前から分かっていたのに。

これは、この上なく。

「情けな？」

恥ずかしくて。
自意識過剰で。

口にした瞬間、その実感が強過ぎて。

「嫉妬を感じなくて良い程、僕を･･･何だって？」
「･･･ッ」

ああ、ズルい。
彼はこういう所がとことんズルい。

･･･ズルいのか、私がそれを言い訳としているのか。

「あ･･･っ」

言わせようとしているのは彼だけど。
言わないのは私であって。

自分から、何気無く先に言ってしまえば。


「･･･愛して･･･る･･･っ」


なんて事ない、はずなのに。

「･･････ふっ」
「！！」

それでも私はそれなりの勇気を振り絞って言ったつもりなのに、彼に軽く笑われてしまって。

どうして笑うのかとも問えないまま、目が髪で隠れた彼の顔を見つめた。

「･･･締め付け過ぎだ」
「･･･ッ！」

言う事に力を振り絞り過ぎたせいか、全身に力が入ってしまっていた。

だから彼の指を･･･無意識にナカで締め付けていた。

「･･･っ」

恥ずかしい。
この場から消えて無くなりたい程。

何故こうなったのか、誰か教えてほしい。