第100章 ゼロで※
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「れ・・・っ」
こういうのは、所謂初夜というものになるのだろうか。
そういう関係になったという証明も実感も無いけれど。
・・・いや、今はそんな事どうでも良くて。
「こ、これは・・・ちょっと・・・」
その日の夜を迎え、大人しく寝られるとは思っていなかったけれど。
まさか、こんな事をされるとは。
「初めてではないだろ、拘束されるのは」
彼のネクタイで手首を後ろ手に縛られ、それを彼に見つめられていた。
勿論、衣服は既に剥がれた上で。
「そう、だけど・・・そうじゃなくて・・・っ」
確かに、彼には以前そういう事をする場所で、手錠を掛けられたことはあるけれど。
問題なのは、何故今手を縛られているかという事で。
「・・・今日はひなたを虐めたい気分なんだ」
そう言いながら、彼の指が首から鎖骨へと流れていって。
それにピクリと反応すると、彼は徐ろに顔を近付けた。
「本当に嫌なら言ってくれ。すぐに解く」
・・・本当に今日は意地悪だ。
私が本気で拒絶する訳ないのに。
それを知った上で言うなんて。
「ンっ・・・」
戸惑う暇すら与えられないまま、唇を塞がれた。
キツくはない、けれど頑丈に縛られた両手を動かしてみるが、解ける気配は全く無くて。
「っんぅ、ふ・・・ンん・・・ッ!!」
胸の膨らみに・・・彼の手が添えられている。
そのまま、蕾へと指は伸びてきて。
ピン、と弾くように刺激されれば、座らされている体は自然と反った。
「・・・知らないひなたを、一つでも減らしたいんだ」
唇が離れ、耳へと彼の口が近付いたかと思うと、囁くようにそう言ってみせた。
それがどういう意味かと聞くことはできない。
・・・今はそんな余裕、持ち合わせていないから。
「ひゃっ、あぁ・・・!!」
耳と胸の蕾を同時に刺激されれば、快楽は二倍どころか数倍に膨れ上がって。
早くも体は限界を訴え始めていた。