第13章 愛して※
「と・・・おるさ・・・んっ!!」
その時が来そうだと訴えて。
緩まらない動きに合わせて声が漏れる。
広くはないその部屋に声が響く。
結合部からもグチュグチュと卑猥な音を立てては部屋に響き、彼と肌がぶつかりあう度に鳴る音もとてもいかがわしく響いて。
「あ・・・っあ、とお、る・・・さん・・・っああ、あ!」
首を横に大きく振りながら、快楽に耐える。
「・・・僕ももう限界・・・です・・・っ」
またピストン運動が早くなって。
もう耐えることは難しくて。
「あっ、だめ・・・あぁ、あん・・・っ!」
「・・・っつ・・・!」
透さんが奥を強く突き上げた瞬間、桁違いの快楽が全身を襲った。
「ぁ、っあぁぁああ・・・っ!!!」
体を弓のようにしならせて、絶頂を迎えた。
「・・・っは、はぁ・・・は・・・・・・」
全身が気だるい。
ボーッとする。
動かそうとしても体は指一本すらも動かなくて。
「・・・ひなたさん、大丈夫ですか?」
透さんの声が聞こえたような気がするけれど。
瞼が重くて。
意識を持っていることすらできなくて。
唇に何かが触れたような気もするけれど。
もう何も感じられなくて。
ゆっくりとそのまま、意識を手放した。
ピピッ、ピピッ、ピピッ・・・・・・
聞き覚えのある何かの音。
手探りでその音が鳴るものを探した。
辿り着いたのは四角く平べったい何か。
これは何なのか。
「・・・スマホ・・・?」
寝ぼけ眼でそれを確認すると、私のそれで。
音はアラームを示すものだと気付いたのはもう少し後。
「・・・っ、仕事・・・!」
急いで飛び起き、全身に感じる違和感。
「い・・・っ!」
全身が筋肉痛のように痛い。体を擦りながらゆっくりと起こし、辺りを見回す。
自分の部屋ではないことにそこで気付いて。
そうか、昨日は事務所で透さんと・・・。
そこまで思い出せば夜のことも当然のように思い出して。
夢だったのだろうか、という考えは体が違うと証明していた。
改めて昨日の自分を思い出し、恥ずかしさから顔に血が上って。