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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第93章 重ねて※




「・・・零」
「どうした」

部屋へと向かうまでの間、気になっていた事を尋ねた。

「明日は、事務所に居るんだよね・・・?」

流石にその怪我で動くことは危険だ。
それに、私としても動いてほしくはない。

これは遠回しに、そう伝えているつもりだったけど。

「残念だが明日からが忙しいんだ」

・・・何となく、そんな返答がくる気はしていた。

「でも、そんな体で動いちゃ・・・」
「悪いが、そんなやわな気持ちで守っている訳じゃないんだ」

・・・命に代えても守りたいものがある。
そういえばコナンくんにそう言っていた。

それは彼の使命である、この国のことを指しているのだろう。

けど、彼が壊れてしまっては本末転倒だ。

再び反論に出ようとした所、その口は言葉を発する前に零の手で塞がれてしまって。

「自ら行った違法作業には、自ら方をつける。それをするまでは落ち着けない」

・・・この目・・・。

優しくも力強く、真っ直ぐな目。

この国を守っている、公安警察としての・・・降谷零の目つきだ。

そして口を塞いでいた手は、そのまま滑るようにして頬に添えられて。

「・・・分かった。でも無理は・・・」
「自分の面倒を見られないほど、自堕落な人間に見えているか?」

言いながらこちらを見てくる彼に、そうは見えないが思い当たる節はあると視線を返した。

「もう床で寝るのは嫌だよ・・・」
「残念だが、あれは僕じゃない」

冗談なのか、本気なのか。
でも確かにあの時はバーボンだった。

そんな話をしている頃には、もう玄関の扉の鍵が開けられて。

廊下を進んだ先のドアを彼が開けようとした時、咄嗟にその腕を掴んだ。

「あ・・・、待って・・・!」

ここはさっき電球が割れた部屋だ。
軽く掃除はしてあるものの、まだ小さな破片が落ちているかもしれない。

その事を簡単に零に伝えると、一瞬妙な様子を見せた。

その後、彼はそのドアを開けないまま、寝室として使っている部屋へと向かった。



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