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今宵、王子様と。【テニスの王子様】

第1章 ペテン師とペテン師


仁王Side

とある放課後。

「仁王くん!こんな所にいましたか!」

屋上で寝ているとよく知った声が聞こえた。

「………プリッ」

「プリッじゃありませんよ!なにサボってるんですか!真田くんがカンカンですよ!
ほら、早く部活に行きますよ!」

目が何故か見えない眼鏡。
ピッチリ分けられた髪型。
俺の相方の…

「おまん、柳生じゃないの。」

「あれ、バレたか。」

チョッパと謎の言葉を言って
変装を解くのは同じクラスの観音結。

「ふん、俺を騙すなんて百年早いぜよ。」

「今回はけっこういけると思ったんだけどなー。」

観音がケラケラ笑う。

「……。」

「でも真田が怒ってたのは本当だから
早く行った方がいいと思うよー……
ってさっきからなに見てるんスか。仁王先輩。」

しれっと今度は赤也にバケる観音。

「……やっぱり全然ダメじゃのー。」

「えぇー?赤也はけっこう得意なのに。」

変装を解き、笑う観音。

「うん、やっぱりダメじゃの。」

「どこがダメなんだい?仁王。」

今度は幸村。

………。

俺は観音にぐっと近づき、

「いてっ。」

デコピンした。
その弾みで気が緩んだのか変装が解けた。

「うん、やっぱりダメじゃ。」

俺はにっこり笑って言う。

「さっきからダメダメってどこがダメなのさ。」

ちょっとだけ怒り気味に観音が言う。

「素顔が一番可愛いからじゃ。
そのままが一番良いんじゃよ、おまんは。」

突然のことに顔を真っ赤にする観音を背中に
ここまで聞こえてきた怒鳴り声の持ち主の元へ
鼻歌交じりに俺は行った。
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