第15章 同世代の彼
「あの…先生…。先生方は私のことをどう思っていらっしゃいますか?」
半助は自分の背中に回されたゆうきの手が震えていることに気づいた。
土「最初はやはり私を含め疑っている人ばかりだったさ。しかしこの5日間貴女の行動は潔白を証明するには十分だった。他の先生方も現時点では白と判断している人が多いようだよ。私はもう疑ってないから教えるんだからね。でも今後も怪しまれるようなことはやらないように。忍者は疑う生き物だから…。」
「分かりました、気をつけます。でも先生方には少しずつ信用されてきているんですね…!」
自分に向かって微笑むゆうきを半助は可愛いと思った。
ゆうきを抱え、胡座をかいた自身の足の上に横向きに座らせる。
「…土井先生?」
不安そうに見つめてくるゆうきの顔に手を添え、そっと唇を重ねた。
「//え!!先生…!?まっ…んぅっっ//」
慌てるゆうきを逃すまいと、半助はさらに深い口づけを落とす。
「ん…んぅ…ふぁ…んんっ…」
ゆうきから漏れる吐息ごと食べるような激しいキスをして顔を離すと、2人の間に糸が引いた。
「先生…なんで…//」
土「ほら、男から口づけされてこんな腰砕けになっている人がくノ一なわけないでしょ?」
悪戯っぽく笑う半助をゆうきは赤い顔で睨む。
「土井先生ってちょっと強引ですよね…」
土「さて、採点の続きでも始めようかな。」
ゆうきをゆっくり立たせた半助は、ゆうきの腰を抱き小さな声で耳打ちする。
(これ以上一緒にいると我慢できなくなる…)
ゆうきは顔を真っ赤に染めて、半助に頭を下げた。
「きょ、今日はありがとうございました!では!!」
土「ぷっ…!付き合って貰ったのはこっちだからね。私の方こそありがとう。また一緒にお茶してくれる?」
ゆうきは半助の誘いに、顔を赤くしたまま困り顔で「は、はい…//」と返事し、再び頭を下げて出て行った。
土「…面白い子だなぁ。はぁ、採点終わっても今夜は眠れそうにないな(笑)」
真っ赤な顔で自室に戻ったゆうきもその夜はなかなか寝付けなかった。しかしあのキスが、今日の嫌なことを全て考えられないようにしたのは間違いなかった。