第1章 あるわけない@赤司@
頭で状況を整理するより先に口が動く
「で、でも
ずっと手も繋いでくれなかったじゃないですか…。」
「さっき言っただろう?
嫌われたくなかったって。
それに、ユウも
ずっと敬語で、名前も呼んでくれなかった…。」
目線を少し下げ、顔を赤くする彼
「あ、あの私、ずっと緊張してて。
赤司君…征十郎君は余裕があるようにみえて。
私も、嫌われたくなくて。
憧れとかじゃなく、ほんとに好きで…」
「もういい。」
彼の香りがして、ギュッと抱きしめられた
「!あ、あの…」
「僕もユウが好きだ。
余裕なんて、あるわけない。」
その日は泣いて神様を崇めた