第34章 夢じゃない@黄瀬@
涼太は頷くと
緩みきった顔でふにゅ~っと顔をつねっている
「ゆ、夢じゃない…!」
本当に嬉しそう
そんな涼太を見て、今やっと自分にも
実感が湧いてきた
「ふふ…。
生まれたら、涼太の事
パパって、呼ばなくちゃね。」
「それは俺もっスね。」
しばらく2人で幸せを噛みしめた
他愛もない会話で時が過ぎていく
やがてどちらともなく、名残惜しそうに体を離し
キッチンとダイニングへ向かう
料理を温め直し、涼太に出す
遅れて帰った事にやっと謝った涼太は
終始笑顔で食事をした
謝ってほしいとか
もう微塵も思ってなかったんだけど