第33章 渡したくない@黄瀬@
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「じゃあね、お兄ちゃん。放課後に。」
登校し、教室が別れる瞬間に
無性に不安になる
クラスの奴らに狙われたら…
教室内じゃ守れない……
こんな想いを、中学の時からずっと続けた
もうほぼ日課っスね 笑
ただ、今までは不安しかない毎日だったけど
ユウはバスケ部マネージャーになると言っている
「中学は女子バスケ部に入ったけど、
お兄ちゃんがしてるの見たい!」
…だって。
上目遣いで、胸の前に握った手を当てて、微笑んで
理性が飛ぶかと思ったっス
まぁ俺は
放課後のバスケまで待てなくなって、どっかの時間に会いに行っちゃうっスけど。
ーーユウと放課後を共に過ごせることに
浮かれていた俺は
あんなことが起きるなんて、予測できなかった