第24章 チョコ@赤司@
持っていた教科書が
ドサドサッと音を立てた
やっぱり泣きながら、私の横を通り抜けていく女子
中庭を颯爽と歩いて来る彼
「盗み聞きとはね。」
わざとらしく言う
彼は私がいることを知って
あんな事を言ったのに
まるで私の反応を面白がるよう
「僕は、君が僕に向けてチョコを作ると
友達と話しているのを聞いたんだが。
いつくれるのかと思っていたら待ちきれなくなってしまってね。
………今日はもう、くれないのか?」
授業開始のチャイムもお構いなしだ
「今は教室に置いてます…。
えっと、からかってるん、ですか?」