【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】
第63章 好きだからこそ※
気が付いた時には
私は秀一さんの腕の中で
寝ていた様で
目を擦れば
泣き過ぎたせいか
鈍い痛みを感じた
『…しゅういちさん』
顔を見るのが怖くて
秀一さんの体に顔を埋めると
優しく頭を撫でられる
『…ごめんなさい』
赤「許さん」
心臓が痛くなった
相当怒っているんだと
改めて実感する
同時に悲しくなって
もう嫌われてしまったんじゃないかと
ぼろぼろと涙が溢れてくる
『…ごめっ…なさい…
きら…いに、ならないでっ…
しゅ、いちさんっ…すき…っ…
…だめなとこっ…なおすからっ…
…ゆるして、くださいっ…』
秀一さんの体にしがみ付きながら
必死に言葉を並べた
すると、ぎゅっと
苦しいくらいに抱き締められる
赤「すまない、意地悪をし過ぎた…
…嫌いになんかなるもんか
好きだからこそ、
あれほど嫉妬してしまうんだ」
そう耳元で囁かれ
今度は嬉しさで涙が沢山溢れてくる
『しゅういちさんっ…』
抱き締められていた腕を離されて
大きな手が頬を包む
見上げれば涙のせいで
歪んでいるけど
いつもの優しい秀一さんの顔
赤「ほら、もう泣き止むんだ
…体は痛くないか?」
『んっ…少し痛むけど、大丈夫です』
赤「無理をさせたな」
優しく気遣ってくれる秀一さん
いつもの秀一さん
急激に愛おしさが
胸いっぱいに広がった
『平気です…それより…その…』
赤「どうした、言ってみろ」
『……キスが…したいです』
恥ずかしさで
目線を逸らした
赤「ふっ…こっちを向いてくれないと
出来ないだろう?」
頬に添えられていた手が
フェイスラインをなぞった後
顎をクイッと持ち上げた
一秒も置かず、
吸い寄せられるかの様に
唇と唇が重なる
優しくて甘いキス
次第に深いキスへと変わるが
子供の肺活量を考えて
呼吸の隙を与えてくれた
唇が離れても
愛おしさは増すばかりで
お互い愛の言葉を
囁き合っては微笑み
しばらく甘い時を過ごした
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