第1章 きっかけは金平糖?!
ーーー安土城でのとある日常ーーー
「ふっ、ようやく見つけたぞ…」
「信長様?あっ!また金平糖を盗み食いしてるのですか!?」
「ちっ猿め…出おったか」
「そんな、人を物の径みたいに仰らずとも…信長様、あれほど甘味はお控えくださいと再三お願いしているにも関わらず、飽きもせずにこのように幾度となく忍び込むのはお止めください………」
カリッポリポリ
「貴様の小言を聞くのは当に飽きている」
「それもすべて、信長様の体を気遣ってのこと!…って、話を聞きながら金平糖を食さないで下さい!」
カリッカリッポリポリポリ…
「あの女も、金平糖は旨いと言っていた。あの女と食べれば文句はなかろう」
「あいつもですか…?!全く、あれ程注意するように言っていたのに…はぁー…もう一度ちゃんと話しておかないと…」
「そう苛立つな。これを貴様にやるからありがたく思え」
「はっ有り難き幸せ……
って信長様ッッこの秀吉、その手には乗りません!
ささっ、その壺を此方へっ」
「断る」
「信長様っっ!そんなに食べてはお身体に障ります!それから、廊下は走ってはなりません!」
ドタドタドタッッ……………