第13章 ◎守れない-雅紀-side
「守れない……今の俺には守れない」
そんな言葉
俺もも望んでない。
きっと昨日までの俺だったらね?
'俺のとこにおいで'って
言えたかもしれないよ。
でも、今はね、今は…………
「え………………?」
がふわっと俺を抱き締めた。
初めて襲う感覚
こんなにふわってする子だった?
あ、そっか。時がそうさせたんだね。
「じゃあ何で言ったの?
何で………行かないでよ、なんて……
本気で好きになるなって…なんで言ったの?」
「……………………同、情……だよ」
その瞬間、彼女の綺麗な瞳が
パリンって割れた気がした。
でもそれを拾えないまま、
ずっと彼女のことを見つめてた。