第8章 ◎最悪なヤツ-雅紀side-
ピピピピピ
鳴り止まない時計をバンッと止めて、
カーテンから射し込む日に少し目を開けた。
「ん……もうお昼、か……」
時計の針を見ながらそう呟いた。けど
俺の脳裏に浮かぶのは、
自分が昨日言ってしまったあの言葉
'行っちゃヤダ'
'アイツのとこ行くの?'
「っだぁ……なんであんなこと……」
こんな俺に何の責任もとれないのに…
なんであんなこと…………
なんて考えてるとインターホンが鳴った。
「だれかな……んっと」
気合いを入れて立ち上がり、
玄関の方に向かうとそれは意外な人だった。
「ニノ……だ」
ニノはなんだか寒そうにしてて、
チャームポイントの猫背が際立ってる。
ガチャっ
「おせーわ、バレるだろうが」
「え……いや、急に来るから」
「暇だったんで……あなた用事あんの?」
「うんん」
「じゃ、おじゃましまーす」
あぁ、猫ちゃんみたいにスタスタって入って
ニノが本当に猫に見える今日この頃だよ。