第6章 ◎イヤな奴-雅紀-side
「え?本当に?
じゃあ、幼なじみのまーくんって……」
「え、ちょっ!それはその……そうだけど」
仲良さそうにじゃれあう二人の間には、
どうしても入れなかった。
でもが俺のことちゃんと話してて、
まーくんなんて呼んでくれてんのは、
やっぱり嬉しかった。
「あ、裕典これ」
「ん?」
あーあ、また二人の時間に入っちゃった。
これじゃあ雅紀くん入れないじゃんね。
「ちょうど通り掛かったから、
この前のほら、ね?」
「ん?あー!これ!あれだ!」
「うん(笑)それだけなんだけど……」
なんて話ながらの視線が
こっちに向いて目が合ってしまった。
「……先生、点滴終わったかも」
なんて自分から逃げてしまった。
「あ、はーい
それと相川でいいですよ?僕の苗字なので」
「え?」
「の幼なじみなら、
今後も仲良くしていきたいですし、ね?」
点滴を外しながらニコッと笑うその顔に
少しイヤな気分になった。
「じゃあ……相川、さん、で」