第6章 ◎イヤな奴-雅紀-side
意識を取り戻して目を開くと、
そこには白衣を着たお医者さんがいた。
あ、俺運ばれたんだ。
ていうことはここは病院だね。
「……気がつきました?」
お、イケメンさんだ。
なんか優しそうだし、モテるんだろうなぁ
「熱はすぐ下がりましたから、
きっと働きすぎです。お忙しいでしょ?」
「……え、あ、まぁ……おかげさま、で」
綺麗で上品な微笑みをして、
お医者さんはパソコンに何かを打ち出した。
「…点滴、終わるまで待ってくださいね」
「あ、はい」
そういえばの彼氏も、
お医者さんなんだっけ?
確かそう言ってたよ、うん。
安定の仕事だよね……すげぇ良い話じゃん
なんて考えてると、
これは幻聴なのかの声がした。
「裕典、これ…………ってごめんなさい!
まだ診察中だったの?………ん?ま、雅紀??!」
いや、幻聴じゃない。
これはの声だ。